咲いても、枯れても1~サクラ色~



その言葉は、私の重荷を振り払ってくれた。



“自由にして良い”



“お嬢様やらなくていい”




ただそれだけで、途端に肩が軽くなる。





『それに、さくらにはそんなの似合わないからね』



バカにしたようにケラケラ笑う拓も、今なら許せる。




……今なら、ね。





『白純美様、一度御自宅へ戻られたらどうですか?やはり必要なものもあるでしょうし』



『うん、分かってるわ。近いうちに帰りたいと思ってたの。学校の準備とか…必要だし』




実はここ一週間、学校を休んでいる。



やっぱり色々バタバタして、落ち着かなくて。




拓はそれでも、「学校は休むな!!」ってうるさかったけど。



頼稜さんと明仁さんたちを味方に付けて、なんとか。




といっても、そろそろ行かなきゃね。



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