咲いても、枯れても1~サクラ色~



『拓様、落ち着いて下さい』



優美に、ゆっくりと言葉を落としたけれど、やはり楽しげ。




ふふ、と微笑んでいる。





『白純美様は、やはり、お顔に出やすいのですよ』





そう言って、ミラー越しに私を見て微笑む。




あら、これで三回目?





そんなに感情が表に出ちゃうのかしら。




嘘は、つけないわ。




と改めて思った。






でも……今考えてることが、顔に表れてるってことよね?




さっき、何を考えてたかしら?




どんな顔してたんだろう。




拓が拗ねるようなこと?




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