咲いても、枯れても1~サクラ色~
『自由に待ってて。私、荷物とかまとめて来るから』
『分かった』
拓をリビングで待たせ、私は二階の自分の部屋に向かった。
私の家は二階建て。
みんなに一戸建ては凄いとか言われるけれど、あまり意味がない。
だって二人とも、滅多に家でくつろぐことなど無いから。
そんな無駄なことを考えながら、旅行バックに色々詰め込む。
大半のものを、詰め込んだ。
もう西条家で暮らすと決めたから。
『ん、このぉ…っ』
結局、旅行バック二個分くらいになってしまった。
服は、西条家のを着なくてはならないけれど、やはり多少は持って行く。
生活用品は、全て西条家のを。
そういうものは全て、雅さんが取り計らってくれた。
優しい、お母様。