咲いても、枯れても1~サクラ色~



『だから、なんで佑馬は必死なんだよ!!
コイツの一目惚れの相手なんかどうでもいいじゃないか!!』


『うるさい海斗っ!』

『うう…っ』



一言で藤井くんを制する佑馬くんは、本当に凄いと思う。

思わず笑ってしまう。


『お前も、なんで急に笑うんだ?』


また藤井くんが突っかかってくる。


『二人を見てると、楽しいの』

何を言い返されるかわかんないけど、本当に思ってたこと。

この二人、羨ましい。



『変なやつだな』

『俺も、楽しいよ!海斗と、白純美と話してると』


なんだか、好きだな…この雰囲気。

久しぶりに男の子と話して、楽しいと思ったかもしれない。

しかも同い年の。


この人たち、特別なのかな…。


『笑ってた方が、いい顔してるぞ』


藤井くんが前を見て、笑いながら言った。

決して私の方を見ないから、聞き間違えかと思った。



『海斗~ヒューヒュー!』


でも、佑馬くんが冷やかすから本当だ。

佑馬くんってわかんない。

さっきまで、思わせ振りみたいな感じだったのに…。



< 24 / 279 >

この作品をシェア

pagetop