咲いても、枯れても1~サクラ色~
付き人が、その主人の相手を好きになる。
それは、絶対に駄目。
例えば、頼稜さんが私に恋をしてしまったら、それは重罪。
鈴ちゃんが拓を好くよりも、かなり。
『もし恋をしてしまったら……ど、どうなるの?』
確実に揺れている私に対して、淡々と答える鈴ちゃん。
自分は恋などしない、そんな自信があるかのよう。
『メイドや執事の場合、西条を離れさせられます。付き人の場合、永久に好いた相手に会えなくなります』
もちろん西条も離れさせられます、と続けた。
怖い、と率直に思った。
好きになってしまうのは、恋に落ちてしまうのは、
人ならば、仕方のないことなのに。