咲いても、枯れても1~サクラ色~



顔を青くした私を見て、鈴ちゃんは変わらずに優しく笑った。



『ご安心下さい。恋心がバレなければ良いのです。本人が認めるか、物的証拠、誰かに決定的瞬間を見られなければ』





バレなければ、良い。



まるで浮気じゃない。




私は絶対にするつもりは無いけれど、少し安心する。




簡単に人を見捨てるとか、してほしくないから。




きっと、明仁さんたちもそう思っている。




だからそういう決まりがある。





『白純美様、長々とお話ししてすみませんでした。きっと、拓様がお待ちですよ』



『あ、大丈夫よ。たくさん話せて楽しかったわ。ありがとう』



そう言って部屋を後にする。




本当に長く話したと思う。



鈴ちゃんと話せて、本当に楽しかった。




まあ、私には無縁の話であって欲しいけれど。




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