咲いても、枯れても1~サクラ色~



『さくら、可愛いよ』





そう言われるだけで、胸が踊る。




ううん、胸が高鳴る。





たまらなく嬉しくて。




誰に褒められるよりも、嘘の無い拓の言葉が好き。





いつもは遠回りしなければ見えない愛も、この時は一本道でたどり着く。





『あ、ありがとう……』




でもやっぱり照れてしまう。



褒められるという事に、慣れは無いもので。





すぐに顔が赤くなる。



恥ずかしくて俯く。





『さくらは、どんな服でも可愛いからな。いつでも俺の一番の姫だ』




そう言って、私を抱き寄せる。



また、胸が高鳴る。



拓にも聞こえてるかしら?





こんなにも、好きだと。



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