咲いても、枯れても1~サクラ色~
『白純美、大学生のが確率低いと思うけど…?』
『わかってる。けどさ、南高校の近くに大学あるよね?出逢いはない、とは言えないよ~』
南高校の近く、というより最寄り駅の近くに有名な大学がある。
レベル高くて、目指すつもりはないけれど。
朝もそばを通った。
背の高い、いかにも優しそうな大学生がたくさん入って行った。
それを見てからかもしれない。
ぼーっとし始めたのは。
『大学生かあ~。それよりも、南中学の子と知り合う確率のが高いと思うけど?』
恵はケラケラと笑った。
南中学校、南高校の隣。
中高一貫校じゃないけど、南中の生徒が南高をよく受験する。
きっと私たちの周りも、元南中の生徒が多いのだろう。
朝も、たくさんの中学生が高校生に混じっていた。
確かに知り合うなら、こっちのが早い。
『中学生?年下なんて無理!!絶対に彼氏にとか出来ないよ。やっぱり年上がいい』
そう言って嘲笑った。
恵も「年下はちょっとね…」と同意した。
年下なんてあり得ない。
そう言って笑ったのは、この一年間だけだった…。