咲いても、枯れても1~サクラ色~
『…か、海斗?あの─…っ』
『あっ!!!!佑馬たち!!!!』
私の話を最後まで聞かない。
あなたの悪い癖?わざと?
『あ…』
佑馬くんと直也くんと恵は、もうとっくに先を歩いている。
時折、後ろを振り向いて笑いながら。
直也くんと恵は、私と拓を応援してくれるんじゃなかった?
けど、恵のあの顔は違う。
“私と海斗”
そのつもりだったの?
そういう可能性は無いのに。
私が海斗を…、海斗が私を…そんなはずはない。
私は拓が忘れられない。
海斗にだって、いるはず。
私みたいにあなたを「幼い」と馬鹿にしないで、一緒にふざけてくれる人が。
『ほら!!!!!』
『へっ?!』
突然、目の前に差し出された手をに驚く。
『佑馬たち、追うぞ』
また、無邪気に笑う。それも本当に楽しそうに。
でも私は海斗の手をとることを躊躇する。
────私が掴んでいいの?
ねえ、あなたの手を。