咲いても、枯れても1~サクラ色~



『ほらっ白純美!くじ引きするよ』



恵に腕を引っ張られながら教卓の前まで行った。

海斗を睨みながら。


絶対っ!!!絶対にコイツと隣は嫌!!!!




『じゃあ、一人一枚紙を引いてね』



紙を混ぜながら、新谷美紀先生が言った。


しんや みのり。


美紀さんは私たち、1年1組の担任。

まだ30歳くらいで、見た目も若い。

だから名字でなく、名前で呼ぶことにした。


先生、って堅苦しいし。



『美紀さん!!私、絶対に海斗とは隣になりたくない!!』


『あら。あんなに仲良しなのに?』




み、みみみ美紀さんまでえ!!!!!!!!



『仲良しじゃない!!あんなやつ!!!!美紀さんっ!あいつの隣だけはやめて』


『知らないよ~!くじ引きなんだから、私に決定権はないし』


そう、だよね。

こうなったら願うしかない!!!!


『さ、引いて』



教卓に散らばる紙。


よし!これだ!!!!!




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