咲いても、枯れても1~サクラ色~



『さ、さんじゅう?』




30。




後ろの方の窓側。

席的には一番いいと思う。



で、隣は?



『か、海斗!!あんた何番?』


海斗と佑馬くん、直也くんは、私が座る予定の席の辺りで話してる。


私が話しかけると、一瞬でむっとした表情に変えた。



『さんじゅういち』



そう言って、紙をひらひらさせた。





31。




──まさか。本当に隣?



『そういうお前はなんだよ』



あり得ない、よ。



『まさか、俺の隣とか言うんじゃないよな……?』



違う。


私はこんな幼稚で、うるさくて、私のことをバカにするようなやつと隣じゃない。



理想は、彼。

拓、なんだから───。



せめて佑馬くんか直也くんにしてほしい。

あ、直也くんと隣は駄目だ。

恵の、嫉妬オーラが…。

そんな毎日は死んでもいや。


まず、海斗は、ないよ。



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