咲いても、枯れても1~サクラ色~



『絶対に、手出すなよ』


ええええ、ええ?!


な、何を言っているのよっ


顔が少しずつ、熱くなるのがわかる。



例え、海斗だろうと誰だろうとそんなこと言われたら、動揺するのは仕方ないわよね…。



『後ろから見てる俺の身にもなってみろよ』



ちょっと!!!

な、何をっっっ!!!!!!


心臓がうるさい。


本気?それは、ええええっ!!




『こいつと佑馬のいちゃつく姿なんて見てたら、吐き気が止まんねえよ!!』



は?



酷く落胆したのと同時に、
何かの糸がブチッと切れた。


勘違いした私が悪いけど、
やっぱり、分かり合える訳───ない。




『あんたぁぁーーーっ』



『うっせぇよ!当たり前だろっ』




私と海斗は騒いでたから、後で聞いたけど
なんと、直也くんと恵は隣になったそう。


恵は恐るべきほどの強運の持ち主だから。

しかも私の前が恵で、佑馬くんの前が直也くん。


────いいんですか?


つまり、6班にこの5人が綺麗に集まってしまった、ってこと。



す、凄すぎる────。




窓の外では、ソメイヨシノの花びらが美しく、風に舞っていた。



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