咲いても、枯れても1~サクラ色~
桜の出逢い
入学式も無事終わり、私と恵は一旦家に帰ることにした。
『はあ~…疲れた』
さっきから恵は、親と電話をしている。
私は暇だから、桜を眺めていた。
4月、桜の季節。
桜はとにかく満開に咲いて、綺麗に散っていく。
そして5月には、新芽が顔を出す。
桜の木しか残らない。
桜の花は、一瞬しか輝かない。
なんだか切ないな、なんて思っていると
『ごめーん!!白純美!!なんかこれから親と食事とかなんとかで…午後遊べないの』
恵が手を合わせて謝りながら、そばまでやって来た。
『いいよ。ゆっくり食事してきな~』
私が笑顔で答えると、恵はまた何度も謝りながら、駅に向かって行った。
気がついて周りを見ると、人がいない。
桜吹雪に包まれて、なんだか余計に寂しくなってしまった。