咲いても、枯れても1~サクラ色~
『私も帰ろうかな』
駅に向かって歩き出した。
不意に、大学生を見つけた。
やっぱりかっこいい。
笑顔で話しながら、同じ駅に向かう二人の大学生。
一人は茶髪、もう一人は黒髪だった。
私が見とれてゆっくりと歩いていると、突然、肩を叩かれた。
『あの…』
びっくりして振り向くと、背の高い美青年が立っていた。
笑顔が、素敵で。
ちょっとパーマが、かかった茶色い髪。
心臓が、ドキッとした。
今までにない、感情。
まさか、一目惚れ……?
『──…あのっ!!!』
『は、はい?!』
彼の声で目が覚めた。
いきなりだったから、声が裏返った。
───恥ずかしい。
『だ、大丈夫ですか?』
彼もクスクス笑っていた。
もう、恥ずかしいけど…その柔らかい笑顔には負けてしまう。