咲いても、枯れても1~サクラ色~

儚さの正体

何度考えてみても、浮かぶ答えは同じ。



いないはずがない。



あの容姿に惹かれる女性は、少なくないはず。


だったら、

だったら、もしかしてもう!!!!




『さくら?どうしたんだ?』



拓の声で、我に返る。


なんだか、一人で、物凄いこと考えてた気がする!!!!


は、恥ずかしいっっ!!!!!!



そう思うと、顔が一気にかあっと赤くなる。




『な、なななんでも…っ!!!!』



なんでもないんです!!!


あなたに、将来を誓った人がいようと!!!!



なんでも…なんでもない、んです…。




『なんだ?さくら。さっきから一人で』


私の心の葛藤とは対照的に、拓は落ち着いている。



ばれてないよ、ね?




『急に赤くなったり、しょぼんとしたり。一人で黙ってないで、何を考えてるのか、教えてくれよ』



それはこっちの台詞よ。


と思ったけれど、考え直した。


やっぱり口に出さなきゃ伝わらない。



それを、私が一番知ってるじゃない。




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