咲いても、枯れても1~サクラ色~



『一人で考え込まないで。少しは話してくれよ。俺、頼りないかな?』



…なんだか、凄いことになってる?


私が、何か悩んでるような。


誤解、解かなきゃ!!!!




『あのさ、つ、付き人って?』



あなた、芸能人なの?


そう続けようとした時に、私の言葉を、拓が遮った。




『付き人って言うのは、普通じゃ、力士とか芸能人のことを言うんだけど』



あれ?違うの?


また、私の思い過ごし?



『た、拓って!!!!芸能人じゃないの?!』


私が声を上げると、拓は一瞬、目を見張ったが、すぐにお腹を抱えて笑い出した。



見たこともないくらい、取り乱して。


『た、拓?!』



『ご、ごめんごめん。だ、だって、俺が、俺が芸能人だなんて!!さくら、どうした!!!!』




それでも尚、笑う。


その姿を見て、なんだか恥ずかしくなってしまった。



とんでもないことを考えていたのかしら、と思って。



< 68 / 279 >

この作品をシェア

pagetop