咲いても、枯れても1~サクラ色~
『すみません…というか、あの…わ、私に何か用ありましたか?!』
彼は笑うのを止めて、真顔になった。
『可愛かったから』
へ?
真顔になって、何を言うのかと思ったら…なんなのこの人はっ!!!!
あの気持ち、返してよ!!
ドキッとさせといて…最悪。
『さよなら』
私は無視して駅に向かう。
ナンパとか大嫌い。
なんで一途に人を想えないのかな?不思議。
『ごめん!ごめんって!!違うんだよ~』
必死で追いかけて来る彼。
違うって何よ──…と思った時に、
『お願い、待って』
強く腕を掴まれた。
もう無視出来ない。
『あなた、なんでナンパで必死になってんのよ』
強い敵意を持って、睨む。
私の一目惚れ、返してよ。
というかこんな奴に一目惚れした私が馬鹿ね。
さっさと忘れよう。
それよりも、さっきの二人、どこ行ったのかしら?