咲いても、枯れても1~サクラ色~
『昔で言う…側近、みたいな立場に当たる人』
側近。
それくらい、分かる。
歴史なんて、去年の受験勉強で必死に覚えたもの!!!!
公家とか武家とか、身分の高い人に仕える人でしょ?
──────え?
ええええええっ!!!!!
『そ、側近って、あなた…』
私が酷く動揺したのを見て、拓はケラケラと笑った。
良い反応だ、とでも言わんばかりに。
『拓って、まさか、あの、あの西条?』
恵が言ってた、お金持ちの三家。
西条、藤井、花園。
この、西条?
『あの、って…知ってたの?』
拓は少し驚いた様子だったけど、まだ笑っていた。
『いや、よく知らないわ。友達が、言ってたのよ』
『そっか。うん、俺は多分、その西条』
『お、お金持ちの?』
そう言うと、また笑った。
『お金持ち…そうだね。いわゆる、大富豪』
一瞬、くらっとする。
やっぱり、あの西条だった。