咲いても、枯れても1~サクラ色~
第三章 願望
西条拓
『ねえ~白純美~?』
あれから、一週間の時が経った。
いや、もっと経ったかもしれない。
あの出来事を思い出すだけで、幸せになる私には、短く感じてしまっただけで。
『おい、こいつどうなってんだ?吐き気がするほど、にやついてんだけど』
“大事な人”そう言われたこと、「また、会えるよ」の意味を知れたこと。
彼の言葉、姿、表情、仕草、散り行く桜…
全てのことが鮮明に思い出される。
『は、白純美ちゃん?!どうしちゃったんだあああ』
あの日から、学校に来てもずっと窓の外を見ている。
桜を見るだけで、幸せになれるから。
桜散る度に、会いたい、と思えるから。
また会えるよ、あの約束を思い出すから。