咲いても、枯れても1~サクラ色~



『私、会ったよ。拓に』




そうはっきりと言うと、みんな眉を歪めた。



拓って?


恵以外がそう問いたいのは、すぐに伝わってきた。





『私の、一目惚れした人』




口に出して、自分でもこの想いを再確認する。





『は、白純美っっ!!!!』



『まだ引きずってたのかよ』




佑馬くんは、そんなあ!!と海斗の肩に頭をつけて嘆く。


海斗は、そんなことかよ、と悪態を吐いた。




『拓って…やっぱり、あの西条、だったの?』


『うん。お金持ち、大富豪の西条家だったわ』



私にはどうでも良いことだけれど。



むしろ、普通の人が良かったけれど。




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