咲いても、枯れても1~サクラ色~
『お願い、聞いてくれる?』
顔は見れない。
けれど、真剣なんだと悟る。
お願い、あなたの願いなら、なんでも聞くわよ。
『うん。言って?』
そう呟くと、拓は軽く安堵したようだった。
けれど、抱きしめるその腕の力は、一向に弱まらない。
『俺の…』
『うん』
『俺の、傍に居て』
その言葉は、一語一語に重みがある。
軽い気持ち、では無いと。
『どういう…意味?』
どうにも捉えられる言葉。
傍に居て、
今、抱きしめていたいだけ?
ただ寂しいだけ?
それとも─────
永遠に、という意味なの?
わからなくて、もどかしい。