Ciel~蒼キ天使~
その天使に噛みつかれたのだ。
きっと、寝ているふりをしたのだ。私がどんな行動に出るか警戒しながら。
迂闊だった、まさかこんなに小さいのに、力がすごいなんて思わなかったから。
私の手からは赤い水滴がこぼれ落ちる。
「さすが『loup L'oiseau(ル- ロワゾ-)』だね。」
そう私が見つけたのは、狼のように凛々しい外見、そして背中には鳥のように美しい翼をもった天使だった。