愛しのDarlingは先生様~好きやねん!~
………ちょうど、教室からよー見える中庭。
なんで幽霊くんも、わざわざこんな学年中の視線を浴びるハメになりそうな中庭なんか選んだんやろーなぁ…。
まぁ、そんなんは個人の自由なんやけどさ。
「………ぁ…ぁ………あの!!」
「………なんでしょう?」
おぉ!
見事に声まで筒抜けやん!!
「…………僕、翡翠奏大(ヒスイカナタ)って言います。
……クラスでもかなり影薄いので、ご存知なかったと思いますが………、密かに花屋敷さんに憧れてました…。
あっ、付き合おうとかそういうんじゃないんです!
佐久間くんと付き合ってるの、知ってますから………。
ただ、想いを伝えたかっただけなんです!!
あっ……、その………、卑しい意味は全然なくて………」
「…解ってるよ。
翡翠くん、そんな卑怯な真似する人に見えへんし。
ありがとうね、好きになってくれて………。
涼と別れる気はないから、付き合うことはできへんけど、気持ちだけ大事にもろとくな」
………栞は優しく、幽霊くん…じゃなくて翡翠くんに笑いかけた。
同時に翡翠くんも安心したような笑顔で微笑んでる。