愛しのDarlingは先生様~好きやねん!~
「なんよ涼」
「バラバラに散らばって、探した方が効率いいんちゃう?
こーやって、途方に暮れてる暇あったら、ちょっとでも探した方がええし」
…キッラキラの笑顔で。
訴えかける涼くんに折れたあたしと栞は、意見通りに散らばって探すことに。
「あたし、右探すわ」
「んじゃオレは左」
「あたしはとりあえず、ここ降りてみる」
お互い、探す位置を決めて解散。
…でも、まだ散らばって間もないし探しながらでゆっくり歩いてるから、まだ栞の姿も涼くんの姿も見えてる。
「…ほんまどこおるんやろ…」
ため息ついたあたしがおる場所は、解散した歩道橋。
車の往来が激しい道路の真上。
車と同じく、たくさんの人が行き来する歩道を身を乗り出して見つめた。
…どーせ、あたしはチビですからね。
昔は背ぇ高かったのに、今じゃ背の順でも前の方やもん。
栞みたく、背も高めの美少女ちゃうしー。
こんなんも身を乗り出さな見えへんのですわ…。
ひとりでふて腐れながら、歩道を眺めてると、目に止まる人物が。
「…翡翠くん!!!!!」