愛しのDarlingは先生様~好きやねん!~
奥の部屋に消えてもた涼くん。
玄関には栞と翡翠くんとあたしだけ。
「栞、涼くんちよーくるん?」
「当たり前やん。
あたし、何年涼の彼女やっとるか知っとる?
12年やで、12年。
そりゃお互い家ぐらい行っとるって」
「…さいですかー」
………なんか言い方ムカつくなぁ…。
今さら気にしませんけどね。
「あたしについてきてー」
栞を先頭に、佐久間家の階段を上がり始めたあたしたち。
さっきから思とってんけど…
「…涼くんち、デカくない?」
………なんか並みのサイズちゃう気ぃするんはあたしだけ?
見た目、周りじゃ結構有名なお屋敷って感じ。
噂では涼くんもお金持ちやって聞いてたから、そんなびっくりはせーへんかったけど。
…実際、中入ってみると見た目よりだいぶ広い。
「そーなんかなー?
あんま違和感ないけど」
いや、違和感の問題とかやないねんけど………
「はい、ここが涼の部屋!!」
栞に案内された部屋に入ると、統一されたモノクロカラーの光景が広がった。
落ち着いた雰囲気の部屋。