フランスパン革命
走る少女
 まさに出会いは少女漫画のようだった。

いつもは鳴るはずの目覚ましが電池が切れて鳴らず、私はでかける五分前に起こされた。
制服を着て、はみがき、顔を洗う。最低限の身だしなみを整えた。そして私は全身が見れる鏡の前に立つとあることに気付いた。
寝癖が....
ぴょーんと立っている寝癖。どうせ走って頭はボサボサになるだろうから、諦めた。
学生鞄を持ち、でかけようと走って玄関に向かい。靴を履こうとした時、お母さんに呼び止められた。
「急いでるの!!」
「お弁当いらいの?」
「あ゛!いる」
私はお母さんから大きなお弁当を受け取り、鞄に詰め込んだが、急いでいるからチャックを閉めず出掛けようとすると「朝ごはん」と言ってパンを渡された。
少女漫画なら食パンだろうけど、私は“フランスパン”ではないとすぐにお腹が減る。フランスパン一本口にくわえて家を出る。
「ふってひはふ(いってきます)」
「いってらっしゃい」
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