†幻獣国物語り†雪凪編
序章
『L・S学園』の上空に、純白の馬に白い翼をはやした獣・ペガサスと、体が獅子、尻尾が蛇、顔と翼が鷲の獣・グリフォンが二匹、上空を飛んでいる。
よく見ると、獣に人が一人ずつ乗っていた。
濃い茶色のグリフォンに乗っている少年は、少し長い髪でその髪と瞳の色は自分が乗っているグリフォンと同じ色だ。
名は隼人(はやと)。
そして彼が乗っているグリフォンは、名を隼(はやぶさ)という。
「なぁ、ここに俺たちが探している奴が、いるんだよな?」
隼人が他の二人に訊ねた。
ペガサスに乗っているのは、混じりっ気のない黒くて長い髪と、ペガサスと同じ黒い瞳の少女だ。
名は紅凪(こうな)。
そして彼女が乗っているペガサス、名を雪凪(ゆきな)という。
「うん、この気は間違いない。あいつだ」
紅凪が下の建物を見つめながら、言い放った。
薄い茶色のグリフォンに乗っている少年は、乗っているグリフォンと髪と瞳が同じ色で、どこか隼人と似ているが雰囲気は違う。
彼の名を箜箭(くうや)といい、そして彼の相棒の名を箜壟(くろう)という。
「いったい、奴は何をしようとしているのかねぇ」
穏やかな口調で箜箭は言っているが、彼の瞳は鋭そうな光を放っていた。
「さあな。頭がおかしいおっさんの考えなんて、考えもつかねぇよ」
「そうだよなぁ。何考えてるか知らないけど、人に迷惑にならないようにしてほしいよ。こっちは忙しいっていうのに」
二人の少年は愚痴をこぼし、面倒臭そうな顔をしている。
その表情はとても似ており、髪の色が同じならば見分けがつかない程であった。
「そうだよね。まだまだ仕事は沢山あるから、さくさく終わらそう。
明日からはここの生徒として侵入するんだが、全員一緒じゃないことが不安だね」
紅凪は、二人のそっくりな表情に思わず笑みが零れ、明るい口調で言った。
09/02
よく見ると、獣に人が一人ずつ乗っていた。
濃い茶色のグリフォンに乗っている少年は、少し長い髪でその髪と瞳の色は自分が乗っているグリフォンと同じ色だ。
名は隼人(はやと)。
そして彼が乗っているグリフォンは、名を隼(はやぶさ)という。
「なぁ、ここに俺たちが探している奴が、いるんだよな?」
隼人が他の二人に訊ねた。
ペガサスに乗っているのは、混じりっ気のない黒くて長い髪と、ペガサスと同じ黒い瞳の少女だ。
名は紅凪(こうな)。
そして彼女が乗っているペガサス、名を雪凪(ゆきな)という。
「うん、この気は間違いない。あいつだ」
紅凪が下の建物を見つめながら、言い放った。
薄い茶色のグリフォンに乗っている少年は、乗っているグリフォンと髪と瞳が同じ色で、どこか隼人と似ているが雰囲気は違う。
彼の名を箜箭(くうや)といい、そして彼の相棒の名を箜壟(くろう)という。
「いったい、奴は何をしようとしているのかねぇ」
穏やかな口調で箜箭は言っているが、彼の瞳は鋭そうな光を放っていた。
「さあな。頭がおかしいおっさんの考えなんて、考えもつかねぇよ」
「そうだよなぁ。何考えてるか知らないけど、人に迷惑にならないようにしてほしいよ。こっちは忙しいっていうのに」
二人の少年は愚痴をこぼし、面倒臭そうな顔をしている。
その表情はとても似ており、髪の色が同じならば見分けがつかない程であった。
「そうだよね。まだまだ仕事は沢山あるから、さくさく終わらそう。
明日からはここの生徒として侵入するんだが、全員一緒じゃないことが不安だね」
紅凪は、二人のそっくりな表情に思わず笑みが零れ、明るい口調で言った。
09/02