涙の分だけ……
「あ…これ」
「…ありがとね?? へへッ‥」
彼女は無理をしてるように笑った
俺はそれが無性に腹がたった
「…なんでそんなに無理してんだよッ」
「え…ッ??」
「なんかあったのか?? 作り笑いとかしなくていいから……」
「えへ…秋山くんにはバレちゃうのかな 秋山くんって人のこと見てなさそうでちゃんと見てるよね…あ、とりあえずあがって
こうなったら秋山くんに全部聞いてもらうんだから……ヒッ」
ばぁっとマシンガンみたいに話して堪えてた涙が溢れだしていた
「わかったからとりあえず入らせてもらうな… お前の部屋は2階か??」
「…ぅん‥ッ 上行って左側にある部屋」
そして彼女の部屋にあがらせてもらうと
彼女がぽつりぽつりと話し始めた
「あたし…好きなひといたの…」
え…?? まぢかよ……
胸がわしづかみにされてるようだった
「先輩だったの 部活の先輩… 優しくておもしろくて後輩からは憧れのまとで……この間勇気を出して告白した‥」
「……そ‥か」
頭が真っ白で
何も考えられなくなっていた
「そしたらあっけなくフラれちゃったの‥そして結構へこんじゃって…でもこんなんじゃダメだって次の日も学校に行ったの」
「…あぁ」
先輩が何より羨ましく感じた
それと同時に憎みも…
「そしたら次の日 呼び出された…先輩の彼女に‥あたしの彼氏とろうなんてふざけないでよッ!!って怒鳴られた 知らなかったのよ??‥先輩に彼女いるなんて」
「……ん」
「それであたし先輩に彼女いたなんて知らなかったんです…気にさわったならすみませんでした。でも先輩はきちんとあたしのことをフってくれました…だからもう諦めますから…彼女さんも心配なさらないでください」