涙の分だけ……

「あ…これ」 


「…ありがとね?? へへッ‥」


彼女は無理をしてるように笑った


俺はそれが無性に腹がたった


「…なんでそんなに無理してんだよッ」 


「え…ッ??」 


「なんかあったのか?? 作り笑いとかしなくていいから……」


「えへ…秋山くんにはバレちゃうのかな 秋山くんって人のこと見てなさそうでちゃんと見てるよね…あ、とりあえずあがって 
こうなったら秋山くんに全部聞いてもらうんだから……ヒッ」


ばぁっとマシンガンみたいに話して堪えてた涙が溢れだしていた


「わかったからとりあえず入らせてもらうな… お前の部屋は2階か??」 


「…ぅん‥ッ 上行って左側にある部屋」

そして彼女の部屋にあがらせてもらうと 

彼女がぽつりぽつりと話し始めた 

「あたし…好きなひといたの…」

え…?? まぢかよ…… 


胸がわしづかみにされてるようだった 


「先輩だったの 部活の先輩… 優しくておもしろくて後輩からは憧れのまとで……この間勇気を出して告白した‥」 


「……そ‥か」 


頭が真っ白で 

何も考えられなくなっていた



「そしたらあっけなくフラれちゃったの‥そして結構へこんじゃって…でもこんなんじゃダメだって次の日も学校に行ったの」 


「…あぁ」 


先輩が何より羨ましく感じた

それと同時に憎みも… 


「そしたら次の日 呼び出された…先輩の彼女に‥あたしの彼氏とろうなんてふざけないでよッ!!って怒鳴られた 知らなかったのよ??‥先輩に彼女いるなんて」 



「……ん」


「それであたし先輩に彼女いたなんて知らなかったんです…気にさわったならすみませんでした。でも先輩はきちんとあたしのことをフってくれました…だからもう諦めますから…彼女さんも心配なさらないでください」


< 19 / 25 >

この作品をシェア

pagetop