ring a bell
カルテ1 渡辺鈴子、その女
今日は学校も休み。
なのに、こうやって
学校に来て、自分の部屋に
いるのには、なんとなく…
なんとなくではあるが、
理由があるのである。
ここから見る空は格別。
晴れた日の
鮮やかな夕陽も
雨の日の
壮大な雲も
そのすべてが
己の未熟さを小ささを
改めて感じさせてくれる。
そして午後15時。
………きれいなチェロの音色。
いつもこの時間になると
隣の部屋から響いてくる。
午後の怠い時間を
こうやって過ごすことが
僕の日常の一つになってから
これがないと堪らなく
…………死にたくなる。