運命

なんて話しかけていいんだろ…
いきなりのことにあたしは頭が混乱してどうしていいか分からなかった。
そんなあたしを見ていたゆりかが
「すいません。
良介くんですよね？
この子と握手してあげてもらえますか？？」
あたしは何が起きているのか分からなかった。
「ちょっと、ゆりかダメだよ。
迷惑に決まってるよ…。」
「いいですよ。
急ぎの用はないですし、握手ぐらい。」
良介くんは笑顔でそう言って微笑んでくれた。
胸がドキドキしていて顔が熱くなった。
握手してもらった時感じた、男の子の手…
あたしと同じ歳なのにすごく大きかった。
「あの…この前の亀山くんのコンサートで１番前の真ん中ぐらいの席に座っていましたよね？」
「…えっ。あっ。はい…」
「やっぱり！会えて嬉しい。
可愛いなって見てたからめっちゃ嬉しい。」
大好きな良介くんに可愛いって言ってもらえて…
目から涙がこぼれてきた。
「どうしたの！？
大丈夫…？
俺嫌なことしたかな！？！？」
良介くんを困らせてしまった。
「ごっめんね…
違うよ-。
そんなこと言ってもらえるなんて、思わなかったから…
泣いちゃった。」
良介くんが顔を赤くして
「ホントのこと言っただけだよ。
またいつか会えるといいね。
これからも応援していてね。」
「もちろんだよ。
ずっと応援しています。」
良介くんは笑顔で歩いて行った。
「ゆうか、よかったね。
二度とないかもよ…
それに可愛いって言ってもらえるなんて！」
「だよね…。
もっと好きになっちゃったよ。
それにあたしのことコンサートで何万人もいるなかで覚えてくれてたんだよ。」
あたしはすごくすごく嬉しくてしかたなかった。