彼の隣りに寝る女
私がこの恋愛を不安に思っていることを見抜かれた悔しさと

このまま引き下がりたくないというプライドと

色んな気持ちが混じりあい頭の中はフル回転していた。

私にも意地がある。

負けじと私も言い返した。

「荷物いつ持って帰っていただけます?」

「まだあんたのマンション引き払ってないんでしょ?」

「えぇ」

彼女は私たちが完全同棲を初めるつもりなのか確認してきた。

「じゃぁ、私の持ち物当分使ってな。下着もたくさんあるから。サイズがあえばね」

と下着がしまってある衣装ケースを指さした。

バカにするな!あんたの下着なんて気持ち悪い!

そう叫びたかった。

まるで彼女は自分のほうがグラマーなのにとイヤミを言っているようだった。

「今日のところは帰るわ。車持ってくから内に伝えといて。」

そういって彼女は去ってった。

修羅場の緊張感がとけ我に帰り

泣きながら内くんに電話をした。

「どうしたの?」

説明もできずただ泣くだけだった。

「もうすぐ休憩時間になったら、家に戻るから待ってて」

そして内くんが戻ってきた。

「ひな!車は?もしかしてアイツ来たの?」

黙って首を縦にふった。

「会ったの?」

「うん」

「なんで鍵あけるんだよ!」

イラっとした口調で内くんは怒鳴った。

初めてだった。

そんな風に怒るのは

彼女にはそんな風に色んな感情を見せるの?

「次来ても絶対戸開けるなよ!」

そう言って外に出て行ってしまった。

アパートのすぐそばで

大きな声を張り上げて電話をしていた。

もちろん相手は彼女だろう。

なのに・・・


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