キミのヤキモチ
詩織や他の友達も含めてつるむようになった春から、時に二人きりになる瞬間ができるこの頃まで
「どうせお互い好きなくせに」
「いずれは付き合うんでしょ」
そんな言葉をかけられながらも、オレとユウはずっと友達以上にはならなかった。
だってそんなことしなくたって、好きだって気持ちが勝手に伝わってたら、もうそれだけで
きゅう〜ん…
「たまらないね」
授業が始まっても、悩むように小さくうつむいたユウの後ろ姿からオレは目が離せない。
変態…。たしかにそうかもしれないけど
好きな相手が自分に対する想いで悩んでる様子っていうのは、この上ないドキドキと甘い感覚で。
「詩織、今日の帰り一緒にカラオケ行くぞ」
「は!なんでそこまで付き合わないといけないのよ」
「タケルも呼ぶし。もちユウは誘って来いよ」
「うっ…んー…」
詩織がタケルに惹かれてることだって、オレはちゃんと気付いてるんだから。
協力しないとは言わせない。
半分焦ってる詩織を横目に、オレは再びユウの背中に視線を戻して、その悩ましげな様子を観察した。
なにやら一人、首をぶんぶん振りながら教科書に顔をうずめてる。
オレの予想だと
もう!亮くんと詩織ちゃんのことなんて考えてちゃダメダメ!ちゃんと授業に集中しなきゃ。
…でも、やっぱり考えちゃうよぉ〜
ってとこかな?
かっわいい〜♪