書々云々
家に着いてすぐに、僕は母に1ヶ月後に新作ゲームが出ることを告げた。


すると、リビングでテレビを見ていた兄がため息をついてこちらを見た。


「お前さ、大学にもなって母さんに金せびるの恥ずかしくないか?」


兄に言われ、「別に」と答える。
今まで、母にお金を貰うことが恥ずかしいと思ったことはなかった。


「兄貴だって、母さんにせびってる時あるじゃん」


「あれは事情があってだよ。お前みたいに私利私欲じゃねぇの」


兄の言い方に、少し苛立ちを覚えた。

母は僕と兄のやり取りを見て、

「そういえば、将大は高校の時からバイトしてたわね」


と、兄の肩を持った。


「少しは社会勉強としてバイトしてみたら?一人暮らしだってしたいって言わないし」


母は僕の行く末を案じているような口振りさえした。
いや、実際に案じているのだ。


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