伽羅子
目を閉じさせた上で、俺は伽羅子の体を『解体』にかかる。

本来ならば凄惨極まりない作業。

しかし躊躇いは一切なかった。

一刻も早く伽羅子をバラバラにしたいくらいだった。

五体満足なままにしておいたら、また動き出すかもしれない。

また這いずって俺に迫ってくるかもしれない。

その事を想像すると、身震いが止まらなかった。

網膜に焼き付いた、伽羅子の身の毛もよだつ形相。

その形相を振り払うかのごとく、彼女を解体する。

…既に凝固が始まっているのだろうか。

思ったよりも伽羅子からの出血はなかった。

ブルーシートを床に敷き、その上で伽羅子を解体した後、そのままシートで彼女を包み込む。

四肢と頭、そして胴体。

それらを準備しておいた一輪車に積み込む。

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