ペアリングを外して
手紙を握り締めたまま、電車を下りた。
空っぽになった俺が次に意識を取り戻したのは、自宅の郵便受けの前に立った時。
俺の部屋のボックスを開き、かさばったチラシを破棄する。
一番下に、三村に贈ったはずの鍵が横たわっていた。
冷たいそれを握り締める。
昨日握った三村の手のようだった。
中学時代の三年間、そして、それから十年と十ヶ月。
俺の長い初恋が、今、ようやく終わった。
大失恋、という形で。
fin.
中学時代の二人→
23.5cmの卒業証書