ペアリングを外して
#2
「ねえ、そういえば同窓会どうだった?」
彼女の一言に、ドキッとした。
今日は俺の部屋に、久美が来ている。
久美は二年前から付き合っている俺の彼女だ。
営みを終えてテレビを見ていたとき、不意にあの日のことを持ち出すものだから、三村のことを問いただされたようで焦った。
「楽しかったよ」
無難な答えでも久美は満足した様子で、
「良かったね。あたしもやりたいな、同窓会」
と俺の体に巻きついて甘えてくる。
浮気という重罪を犯したくせに、不思議と申し訳ない気持ちは生まれなかった。
付き合って二年も経てば、二人で行きたい場所には大体行ったし、やりたいことも大体やった。
だから最近ではこうしてどちらかがどちらかの部屋に訪問して、やることやって引きこもるのが常となっている。