ペアリングを外して
三村との密会を何度か繰り返して迎えた晩秋の夜。
この日は平日にもかかわらず、久美が俺の部屋へ来ていた。
「3・2・1、おめでとー!」
ちゅっ。
カウントダウンをして、深夜0時ちょうどにキスをする。
いつの間にか定例化している誕生日の儀式だ。
「ケーキあるよ」
日付が変わったと共に、俺は二十六歳になった。
「サンキュー」
深夜にケーキをフォークで突っつく。
風呂上りだというのに生クリームを顔にくっつけ合ったりして、ゲラゲラ笑いながら過ごした。
翌日の仕事に響かないよう、いい時間を見計らって就寝。
明かりを消すと、ベッド脇に置いていた携帯電話のイルミネーションが光っていた。
色から判断して、メールらしい。
何かを期待した俺。
すぐに受信箱を開いた。