ペアリングを外して
<誕生日おめでとー! オッサンの仲間入りだね>
湯本だった。
ちっ。
なんて言ってはいけないのはわかっている。
「どうしたの?」
本当に舌打ちをしていたらしい。
久美が訝しげな顔をしている。
「いや、友達がオッサンの仲間入りだっていうから」
「あはは、ほんとだねー」
「ほんとって言うなよ」
クスクス笑う久美を脇に、湯本に返信。
<サンキュー。まだまだ若いけどね>
湯本、俺は若いぞ。
三村に会ったその日から、俺は中学生みたいなもんだから。
携帯を閉じて、眠りに就く。
心のどこかで、あいつからのメールを期待しながら。