ペアリングを外して
三村の答えは、ともすれば最善の回答だったかもしれない。
風呂に入った理由も、そこで片が付くわけだし。
「でも小出にも探ってきたってことは、信じてないってことだもんね」
しかし湯本には通用しなかった。
それが厄介なのだ。
「そうだよ。無駄に俺を風俗通いにするなっての」
「あはは、でもやったことは同じでしょ?」
「同じなわけないだろ。いかがわしい店と愛のあるセックスを一緒にすんなよ」
ヒヤヒヤしている俺と違って、三村は余裕たっぷりな様子。
姉御にはやっぱり根性が据わっているらしい。
「最中の写真を撮られたわけじゃないんだし、お互いが否定し続ければ大丈夫」
三村は力強くそう言った。
それでも俺は不安だったが、これ以降湯本が三村について聞いてくることはなかった。