ペアリングを外して
「またあたしに疑いがかかるじゃない。それとも……やっぱいいや」
「言いかけて止めるなよ」
それでも続きは言ってくれず、俺が次の電車に乗った頃、日時や場所の記載されたメールが送られてきた。
三村もこの会に参加するのだろうか。
その頃には……どうなっているのかな。
メール画面を閉じ、アドレス帳「ま」行を開いた一番下の名前をポチリ。
三村菜月。
今彼女は何をしているのだろう。
また泣いていないだろうか。
苦しんでいないだろうか。
笑っているのならそれでいいが、できれば今すぐかっさらって腕の中に閉じ込めてしまいたい。
俺は通話ボタンを押すことはないまま、表示を待機画面へと戻した。
三村から連絡が来たのはそれから数日後。
平日の夕方、日付で言えばクリスマスイブだった。