【短編】『D』



『あのー、支払いは?』



『もう、済ませたよ。』




『私も払うよ。』
そう言って私は財布と出した。彼は首を横に振り



『俺が誘ったんだよ?俺に払わせて。』
彼は強引に私の財布を鞄に戻させた。



『もう!・・・でも、・・・・・・・・・ありがとう。ご馳走様』

すると彼は「いえいえ、どういたしまして」って微笑む。


『あっ、じゃー今度は奢ってもらうよ。』ていいこと思いついた!
みたいな顔で言ってきた。


また今度誘ってくれるの?嬉しいかも。
でも返事をするのがちょっと恥ずかしいけど頑張って声を出した。

『・・・・・・うん///』



二人で車に乗り込む。時間を確認する。
9時25分。このまま帰るのはちょっと寂しいよね。今日は金曜日だし。
車内で俯いてると

『家どこ?送ってくよ』
彼の言葉にかなり寂しくなった。ちょっと顔に出たかも。
でも気を取り直して、自宅の住所を説明した。



段々、見覚えある風景にかわってきた。
自宅は近い。あと5分ぐらいだろうか?
そう思うと更に寂しくなる。どうしよう・・・


私からもう一軒って誘うのも勇気がいる。

でも麻子には「ちょっと頑張る」て言ったけど・・・・・無理。

今日出会って今日誘うのは無理。はぁーーーと心で溜息をついた。





『家、この辺じゃない?』





『・・・うん。その信号左折したらすぐだよ。』


はぁーーーーー、もう着いちゃうよーーーー。

どうしたらいいのーーー!!

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