【短編】『D』
『えっ・・・あのー、あなたですよ。』
素知らぬ顔で言ったけど駄目みたい。
『ゲンかゲンメイって呼んでっていったよね?!!!』
彼はちょっと強めに言ってきた・・・・
『うーーん、でもいきなり呼び捨ては・・・ねぇ?』
誤魔化し笑いをしながらいったけどやっぱ駄目みたい。
『ふーーん、金曜の夜は帰りたくないとか、まだまだ飲みたいとか言った人が呼び捨てできなの?』
悪戯な笑顔もカッコいいのね。って思ってる場合じゃないって。
『えっ、そ、そこまで言ってないよーーー???!!!』
『嘘。言ってたよ。なんならもっと大きな声で言ってみようか?』
ニヤニヤしながら言わないでよ!この意地悪イケメンめ。
でもカッコいい・・・って彼は何してもカッコいいですましちゃ駄目!!
『だっ、駄目よ!』
『じゃー、言って、ゲンメイって』
今度は懇願ですか?だからその殺人的スマイルはヤバイって/////
『・・・・うーー、げっ・・・・ゲンメイ。』
キャーーー、言っちゃたよね。
『なぁーに??』
はーーー、これ以上その笑顔みせないで。
レストランの時はテーブルが大きくて顔が遠かったけど、
ここの丸テーブルは小さいし、椅子同士が妙に近い。
さっきから周りの席の女性群は彼に釘づけだし、やたら女性の店員が側を通る。
『だから七海さん、なーに??』
て、更に玄明は顔を近づけてきた。
ちょっ・・・・//////これ以上顔近づけないでよ/////
『わっ、わかったから、とにかくちゃんと座って!』
両手で玄明の胸を押して、席に戻す。って胸触っちゃった/////
硬く筋肉質の胸板だった。カッターシャツの上からでも分かるくらい。