【短編】『D』
『お客様、投資ですか?』

『はい。ちょっと興味があって・・・』


ほらね。まぁ、その年で投資に興味ってなんかの勉強の為かな?

『ありがとうございます。窓口の桑原と申します。それでは、
まず投資の仕組みについて・・・・・』
投資の仕組みのパンフを取り出そうとした時、


『仕組みはいいから、投資の商品みせてよ。』


『あっ、はい。』
投資するの?まぁ小口は10万ぐらいからあるからね・・・・
今度は、○和証券が作った投資商品パックを出した。

『只今、お勧めはこのAタイプの商品でございます、
小口からでも始められますし、リスクも少なめでございます。』
今キャンペーンで押してる商品を勧めてみた。


『んーーーー、まぁ、これはいいとして、いくら投資したら桑原さんと
食事に行けるの?』

ちょっと首を傾けて、微笑んでる。・・・眩しい・・・なに?!その笑顔は?!
ヤバくない?!こんな超美青年から誘われたら何ていえばいいの?

『えっ、いやっ、あのー・・・おっ、お客様そういうのは困ったりしますよ?』
って、なんで疑問系なのよーー!ヤバイ、顔真っ赤だよーーー。


『はは、困ってるの?嫌な風には見えないけど・・・んじゃー、俺、投資初心者なんで会社終わったら教えて下さいね。今日はとりあえず桑原さんのお勧めの商品に投資します。』

教えて下さいねってとこで、あの眩しすぎる微笑。投資しますってとこはちょっと真剣な表情。どっちもカッコいいんだけど・・・・・


『えっ、あっと・・はい。』 
えっ、私今どっちに返事したことになってんの?


『はいって言ったんだから、教えて下さいね。それと今日は、
先日○和証券で作った通帳があるんで、ここから半分投資します。』

あー・・・またあの前半微笑、後半真剣顔。


『はっ、はい。』って、また私、どっちに返事してんの?!
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