【短編】『D』
【4】朝食
目覚めると、窓からは眩い光が入れ込んでくる。
今何時なんだろう?
ベットの横のデジタル時計を確認すると9時40分だった。
それと共に彼がいないことに気がつく。
私は起き上がり扉を少し開け、隣の部屋を覗いてみる。
『あっ、七海さん、おはよう。』
たまたま扉の前にいたのか、扉の前で待っていたのか分からないけど彼は扉からちょこっと顔を出す私をみていた。
『・・・・・っ、・・・・おっ、おはよう////』
昨日の夜とは打って変わって、眩しい笑顔。
『お腹減らない?朝食頼むね?』
私は頷くだけ。
彼は電話を取るとフロントに電話をした。
『七海さん、15分ぐらいしたら持ってきてくれるから、こっちで待っていよう?』
ソファーに座り込む彼。私はまた、昨晩コーヒーを飲んだ同じ場所に座る。
『なんか、遠くない?』
こっちを向いてちょっと不貞腐れながら聞いてくる
『えっ・・・・・・・・いや遠くないとおもう・・よ』
て朝から私、追い込まれてない?
『いーや、絶対遠い。』
彼はソファーから立ち上がり、私の隣に座った。
私は、彼に背中を見せるしか出来ない。
どうしよう・・・・まだ化粧もしてないのにー。
しかも近いし。