【短編】『D』

すると彼は

『昨日は、ありがと。一人で眠るの怖かったんだ。』
ちょっと悲しそうな顔で俯く。



『・・・・うん。』

怖いの?

どうして?

聞こうと思ったけどいきなり彼の心に土足で入りそうなのでやめた。



『ちょ、ちょっと着替えてくるね?』

まだ化粧してないし、髪はボサボサだし、バスローブのままだしね。




着替え終わるころには朝食が部屋についていた。




『うわー、すごい豪華だね。』

たくさん並べられている食材、かなり大きいこのテーブルに入りきらないぐらい。




『七海さん、食べようか。』

彼とゆっくりした、朝食をとる。




「美味しい」また連発してる私。

「そうだね。」やさしく微笑む彼。


他愛のない話をしたり、コーヒーを注いであげたり、サラダを盛ってあげたり、普通に食事して、楽しいんだ。



『ところで、七海さん、今日は予定とかあるの?』




『えっ、・・・・うん、ちょっとね・・・・』

別に予定とか何もない。でもこのまま一緒てのはね?

ちょっと冷静になる時間が欲しいよね。
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