【短編】『D』
『ごめんね、突然誘って。』
彼はハニカミながら言ってきた。
この誘い方で断る女性はいるの?!
こっちまでハニカんじゃうじゃない。
『いいよ////寝てただけだし。』
『ふーーん、用事は終わったの?』
ドキッ!!そうだった。
彼には予定が入ってるって言ったんだった。
えーーーーと、
『うっ、うん。昼頃終わったの。』
ちょっと焦る。
『あっ、そうなんだ、それよりどこに食べに行く?行きたいとこある?』
ふー、何とか誤魔化せた。
でも別に食べたものはないけど、彼が決めた方がセンスがよさそう。
『うーーん、いいよ、どこでも。あんまり高くない所がいいな。私の奢りだからね。』
『じゃー、俺に任せて。』
といって、車を20分ほど走らせた。
結構高いビル付近の駐車場に入った。
うん?ここ、よくテレビとかで雑誌に載ってる所だよね。
東京なんとかタウンとか言ってたよね。
車を降りると、やはり土曜日だから人が多い。
彼は「今日は人多いね。」と言いながら、私の手首を掴み、エスコートしてくれる。
すると一軒の居酒屋風な店に入った。
串焼き・串揚げの店だ。さっき電話で予約してたのか、すぐに一番奥の個室に入れてくれた。
『こういうとこ初めて。結構来るの?』
すると彼は、
『ううん。俺も初めて、さっき友達に電話して予約取ってもらったんだ。』
うん、結構リーズナブルだし、これなら私でも奢れるわ。
では早速、生2本頼み、乾杯する。
『今日は、飲んでいいの?』
普通に聞いたつもりだった。
彼は、ちょっと頬を赤らめながら
『うん。ワインさえ飲まなければ・・・・昨日は飲みすぎた。』
私も昨日のことが気になったけど・・・・いきなりはね?。