【短編】『D』


そうだあの夏の日、彼に語った私の夢、そう花屋さんになりたかった。


でもいまでも決して諦めたわけではない、週に3回はフラワーアレンジメントの教室に通っている。


一応そこの先生にはお墨付きを貰っている。「いつでも開業できるわ」って。



『ううん、まだ一応勉強中。先生にはお墨付き貰った。でも開業は迷ってるっていうか、自信が無いよ』

そう言うと彼は


『そうなんだ、でも諦めた訳じゃないんだよね?』


彼は微笑みながら聞いくる

「うん、一応」と頷き私も笑顔になる


『そっか、じゃー、俺にも、夢があるんだー』




『なになに?アナウンサー?それともタレントとか?玄明ならいけるよ絶対!』




また興奮気味に話す、しかし彼は首を横に振り、真剣に私をみて


『そんなんじゃないよ。俺そっち系はあんまり興味ない』


『えっ?だって就職するんでしょ?』


すると彼は

『ううん、しない。でもしたいことは見つかった。つーか前から見つけてる。』

て言われても何がなんだか分かりません。

しないの?

就職?

超大企業だよ?!

『はっ?どういうこと?』




微笑みながら彼は








『俺の夢は、七海さんと一緒に花屋をすること。』
< 46 / 50 >

この作品をシェア

pagetop