【短編】『D』
そうだあの夏の日、彼に語った私の夢、そう花屋さんになりたかった。
でもいまでも決して諦めたわけではない、週に3回はフラワーアレンジメントの教室に通っている。
一応そこの先生にはお墨付きを貰っている。「いつでも開業できるわ」って。
『ううん、まだ一応勉強中。先生にはお墨付き貰った。でも開業は迷ってるっていうか、自信が無いよ』
そう言うと彼は
『そうなんだ、でも諦めた訳じゃないんだよね?』
彼は微笑みながら聞いくる
「うん、一応」と頷き私も笑顔になる
『そっか、じゃー、俺にも、夢があるんだー』
『なになに?アナウンサー?それともタレントとか?玄明ならいけるよ絶対!』
また興奮気味に話す、しかし彼は首を横に振り、真剣に私をみて
『そんなんじゃないよ。俺そっち系はあんまり興味ない』
『えっ?だって就職するんでしょ?』
すると彼は
『ううん、しない。でもしたいことは見つかった。つーか前から見つけてる。』
て言われても何がなんだか分かりません。
しないの?
就職?
超大企業だよ?!
『はっ?どういうこと?』
微笑みながら彼は
『俺の夢は、七海さんと一緒に花屋をすること。』