【短編】『D』
【8】後書き
あの朝からちょうど1年が過ぎ去っていた。
『七海!準備はいい?』
彼は頭にタオルを巻き、腰には黒のエプロン、これもまた恐ろしくカッコいい////
『うん////』
『なに赤くなってんの?あっ、また見とれてた?』
私に近づき、意地悪に微笑みながら覗いてくる。
『ちがっ・・・・ん』
いきなり唇を塞がれる
彼の顔がゆっくり離れる
『はは、顔真っ赤、さぁ、一緒に表開けよう!』
『うん/////』
一緒にシャッターを開ける
眩しい光が店内に入り込む
二人は一緒に上を見上げる
そこには木目で縁取られた看板が私たちを見下ろしている。