【短編】『D』
『ありがと、それと・・・・・』

ちょっと、小声なる、なんか内緒話してるみたいに、
彼の顔が近づく、それだけで体温が上がる。



『今日は、何時に終わるの?さっき約束したから守ってよ。』

どうしよう・・・・嬉しいんだけど

なんだか大口投資したからOKするなんて思われてないかな?

彼は大口投資したからいいよねなんて思って誘ってるのかな?

だったらちょっと嫌・・・・・・。あれこれ考えてると





『投資したからとか、大口だからとか、関係なく考えて欲しい。
どっちにしろ初めから投資するつもりだった。担当が桑原さんだから
投資額が多くなったけどね。こんなこと言っても信じないかもしれないけど、
食事だけでもいいんだ。』

懇願する顔・・・・ちょっと弱気に押すところ・・・・真剣な目・・・
その目に吸い込まれそう・・・・ヤバイです。


『う、うん///』
あっ、言っちゃった。



『本当?じゃー、終わるころ迎えに来るから何時がいいの?』
今日一番の眩しい笑顔に、おもわず目を逸らした。確実に顔が赤いと思う。


『7時過ぎごろ・・・・・///』

赤い顔を隠すように俯いたまま話す。


『わかった、じゃー、7時過ぎね。あと携帯番号教えて、
何かあったら電話する。俺の番号はこれ。』

彼は自分の番号とアドレスを書いた紙を渡してきた。

私は名刺の裏に番号とアドレスを書き渡した。



『じゃー、また後で。』
軽く右手を振りながら、彼は去っていった。
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