Another Episod by………
とりあえず……寝るッッ!



………………。
…………………。
………………………。



「あ゙ーッッ!寝れねぇ!!」



イライラする。 なんなんだ?死ぬ事を恐がってるのか?死ぬ前の恐怖ってこうなのか? 準備期間なんて2日もいらない。追い込まれていくばかりだ。拷問だ!いつも笑って出て行けるのは生きて帰って来れる保証があったから。今度のはまず保証はない。リシャールに出た奴で帰って来た奴はいない。



「………アークティクに残ってれば……、軍人じゃなくて騎士になってればこんな事にはならなかったのかな………」



ふとよぎる過去の記憶。幼い頃に父についていくか母についていくか選択を迫られた時、俺は母を選んでアルトルーシュカに来た。



「………いやッッ!どっちも似たようなもんだ!」



RRRRR……………



「?…………誰だよこんな時にッッ!」



携帯が鳴った。 エリシャ? 出ようか出るまいか。どうするか。 出てしまえば行くのが辛くならないか?



「………もしもし?」



エリシャの声を聞けばこの苛立ちが少しはおさまるかもしれない。少し位辛いのは………我慢しろ自分ッッ!



『あッッ!やっと出た!今、大丈夫??』
「あぁ。大丈夫だよ」
『よかったー、………もしかしてまたサボリ?』
「あははッッ!………まぁな」
『見つかんない?』
「全然平気」
『………今から会えない?』



まるで何かに仕組まれたように、今一番会いたくて、今一番会いたくない人からの『会いたい』の言葉。 会ったら言わなきゃならないのか?俺にも出陣命令が下った事。



「あぁ……ごめん……明日じゃダメか?」
『明日でもいいよ』
「そうか。じゃあまた明日連絡するよ」
『うん!待ってる』



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